3話 最初は製菓用だった

登場人物

保宏明
NPO法人杜の家会計担当兼おおもり農園事務方。
苺のしずく開発担当者。

森高寛行
NPO法人杜の家事務局長。
おおもり農園の事務方でもある。

森高)今回は開発担当者の思い出をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

保)よろしくお願いします。

森高)前回は、バーコントワールさんに試作品を持っていった話をしたのですが、開発自体はそれより前に始まっていたんですよね。

保)そうです。コントワールさんに持ち込む半年ほど前から企画がスタートしていたと思います。

森高)なるほど。試作品を作ってあちこちへ出かけられていたような記憶がありますが・・・

保)そうですね。最初は市内のお菓子屋さんをターゲットにして、5店舗くらいだったと思いますが、持ち込んで試してもらって。ですが評判はよくなかったです。

森高)どうしてですか? イチゴのシロップはお菓子の材料に合いそうですよね?

保)シロップは常温保存するために砂糖を加えます。そうしなければ日持ちのしないものになってしまうのです。ところが、お菓子屋さんとしてはイチゴの風味は欲しいけど砂糖が入っているのは困る、甘さのコントロールは自分でしたいから・・・と言われました。全く予想外の反応に参ってしまいました。

森高)絶対お菓子屋さんで使ってもらえると信じてましたもんね。

保)そうですね。ここで一回企画が頓挫しました。

森高)その後、バーコントワールさんに褒めていただいたことで、カクテル専用シロップとして開発を進めることになりましたね。

保)それもホントに予想外でした(笑)